甘柿が渋い!ってこと、あるんですね。
うちの会社の庭に生えている柿を食べたら、
昨年は甘柿だったんですが、なんと、渋いんです!
調べていくと、その渋いってことには、
深ーい理由があったんです。
実は、甘柿も若いころは、
渋いんです。
えっー!
そうなのー!
って思っちゃいました。
そうなんです。
甘柿も渋柿も、ある程度熟すまでは、
どちらも渋くて食べられません。
甘柿は、熟すと甘くなりますし、
渋柿も、完全に熟して、いわゆる熟柿(じゅくし)になると、
渋が抜けて、甘くなるんです。
柿の渋が抜ける仕組みは、
どういうものでしょうか?
お好きな所からどうぞ
柿の渋が抜けるわけ。
柿を渋いと感じる成分は、
柿渋と呼ばれる可溶性のタンニンです。
果実に溶けている状態では、
舌で感じることができて、非常に渋いんです。
そのカキタンニンが、可溶性から、不溶性に変わる、
つまり、干されて、柿の果実の水分がなくなると、
カキタンニンは、固まります。
固まった状態のカキタンニンは、
舌では、感じることができなくなって、甘くなるわけです。
その状態を、「柿の渋が抜ける」というんです。
柿の渋抜きには、
- 干す
- アルコール漬け
- お湯につける(1日)
- 米ぬかのなかに入れる
- りんごと一緒に置く。
などが、昔から行われています。
実は、甘柿が甘くなるのも、
同じ理由なんです。
つまり、熟してくると、木の上で、
可溶性タンニンが、不溶性タンニンに変化していく訳です。
まあ、水分がなくならないのに、
タンニンが固まっちゃうんですね。
それが、あのゴマ!
あなたも、見たことあるでしょう!
あのゴマが、柿の渋さの原因、カキタンニンだったんです。
逆に言えば、
あの黒い点々、ゴマがあるのが、
甘い証拠なんです。
ただ、注意してもらいたいのは、
甘柿は、2種類、
渋柿にも2種類あって、
柿は、4種類に分けられるんです。
4種類の柿とは?
甘柿は、完全甘柿と不完全甘柿に分けられます。
渋柿は、完全渋柿と不完全渋柿に分けられるんです。
つまり、柿は、
- 完全甘柿
- 不完全甘柿
- 不完全渋柿
- 完全渋柿
の4種類があるんです。
へェ~って感じですね。
どう違うのかというと、
甘くなり方が違うんです。
完全甘柿は、種ができても、できなくても、
熟すと、100%甘くなります。
不完全甘柿は、種が出来ると甘くなります。
種ができないと、渋いまんまなんです。
種が少ないと、渋みが少し残ります。
種ができると、タンニンを集めて、
固める作用が出てくるんでしょうね。
そして、黒い点々になって、甘柿になるんです。
その年によって、気温や日照時間、
風量などで、受粉が上手く行かないときは、
種が少なくて、タンニンを固める作用がすくなく、
渋がちょっと残った甘柿になるようです。
スゴイですよね。
知らないことが多いんです。
自然界には・・・
うちの会社の柿も、
年によって、甘かったり、渋みが残っていたのは、
このせいだったんです。
もう一方の渋柿も同じです。
種の有り無しに関係なく、
ずっと渋いのは、完全渋柿。
種ができると、
種の周りだけ少し甘くなるのが、
不完全渋柿なんです。
ただ、初めに言ったように、
完全に熟して、やわらかくなると、
渋柿も渋が抜けます。
要は、干し柿と同じ仕組みです。
干し柿は、ひもで結わえて、
軒下なんかに吊るしておきますよね。
そして、水分を抜く、つまり、干すわけです。
渋柿も、完全に熟すと、水分が抜けていきます。
そうそると、溶けていたタンニンが
水分がなくなって、不溶性タンニンと同じ状態になります。
つまり、ゴマと同じ状態になって、
甘くなるわけです。
干し柿って、
渋柿からしか作れないと思っていませんか?
実は、甘柿でも作れます。
ちまたで、渋柿から作る人が多いのは、
渋柿の方が大きい柿が多いのと、
甘柿は、そのままでも食べれるからです。
まあ、甘柿はそのまま、
渋柿は、干し柿にしてたべる
って言うのが、定着しているんでしょうね。
うちでも、そろそろ、干し柿作り、始まります!
まとめます。
昨年までは、甘かったのに、今年は渋いな~
って言うのよくありますよね。
いままでは、不思議に思っていたんですが、
理由が、やっとわかりました。
熟す前に収穫したり、不完全甘柿だったんで、
種が少なかったんですね。
もしかしたら、近所に合った雄花の多い柿の木が
切られてしまったかもしれません。
そんな時は、雄花が多い、「筆柿」「禅寺丸」という
柿を近くに植えると、8年くらいで、甘くなるでしょう。
「桃栗三年、柿八年」って言いますもんね。
あと、食べる時に、気を付ける事。
それは、黒い点々が多いほど、
甘~いってことです。
柿自体には、いろんな栄養素があって、
お酒を飲んだ後は、イイ!なんてよく聞きます。
そうじゃなくても、おいしいんで、
この時期、りんご、みかん、かきと、
いろんなフルーツが食べることができて、とっても楽しいですね。
スーパーで、柿を見かけたら、
ちょっと、この話を思い出してくださいね。
では、また。
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