知床半島沖海難事故

知床遊覧船『KAZU 1』事故の経緯「3つの不足が招いた悲劇」

KAZU-1-画像-1知床半島沖海難事故

知床遊覧船の『KAZU 1』が、4/23の午後1時過ぎに「浸水してる」という無線を後に消息を絶ちました。

乗組員2名、お客さん24名の知床遊覧船『KAZU 1』がなぜ事故を起こしたのか、3つの不足が招いた悲劇としか言いようがないです。その経緯を改めて検証します。

知床遊覧船『KAZU 1』事故の経緯「3つの不足が招いた悲劇」

知床遊覧船『KAZU 1』事故の経緯をまとめると、

  • 4/23の午後1時過ぎ
  • カシュニの滝付近
  • 「浸水してる」という無線
  • カシュニの滝沖30m付近に沈没してる可能性
  • 26名中11名発見

という状況です。

知床半島沖海難事故の場所

なぜ、こういった事故が起きたのか、浸水して沈没してしまったのか、その理由は

  • 乗組員の熟練度不足
  • 船体の傷の補修不足、設備不足
  • 桂田精一社長の経営力不足

この3つの不足が招いた悲劇だともいえます。

知床遊覧船『KAZU 1』乗組員の熟練度不足

知床遊覧船『KAZU 1』の乗組員は2人でした。

  • 豊田徳幸船長
  • 曽山あきら甲板員

豊田徳幸船長は、約2年ほど前からこの知床遊覧船で働いていました。

 

それ以前の仕事は、大阪や長崎での「ダックツアー」と呼ばれる水陸両用車の操船、運転でした。

豊田徳幸船長-フェイスブック-9

こんな感じのもので、おもに湖、川、ダムなどで、道路から水の中に入っていくアトラクションです。

船と言っても、湖、川、ダムなどの大きな波などは一切ない場所での操船です。しかも、決められたルートがあり、水の下に大きな岩などが無いルートが設定されています。

このときの豊田徳幸船長の顔はこんな感じです。

豊田徳幸船長-フェイスブック-8

すてきなナイスミドルという感じです。

そんな操船を長年やってきて、2018年に退職されました。いろいろな影響で仕事が少なくなってしまったものと思われます。

豊田徳幸船長-フェイスブック-6

そして、知床遊覧船の船長募集を知って斜里町まで引っ越してこられました。

そこでは、はじめは甲板員を1年ほどやって、次の年にはもう船長になりました。ベテラン船長たちが、桂田精一社長のために退職したからです。

それまでは、波といっても50cm位のものだったのが、いきなり2,3mの波です。まともに操船するのも難しく、昨年は2回、座礁などの事故を起こしました。

事故を起こしてしまったときには、お客さんたちに泣いて謝ったということです。

その事故のせいで書類送検されましたが、刑が決定するまではお構いなしというルールのせいで、今シーズンの初日の4/23も出港することとなりました。

安い給料で使われ、桂田精一社長からは怒鳴られ、お客さんたちには泣いて謝り、豊田徳幸船長は顔が変わってしまいました。

豊田徳幸船長-ツイッター

全くの別人と言ってもいいかもしれません。

桂田精一社長の記者会見しない理由

そして、今シーズン初日の4/23がやってきます。

空や海は見るからに悪天候で、地元の漁師や元従業員の男性からも、

「『午後から悪くなるから』って。急に変わるんだ。行きは何ともないけど、帰りは怖いんだ」

「(船長に)『気を付けろよ』って。初めて出るからさ。船の所に行って、運転席の所に行って、『波があるから気を付けろよ』って」

と言われていたのですが、桂田精一社長から「行け」の指示がでました。説明会でも桂田精一社長は「私は行けると思った」と説明しています。

豊田徳幸船長は、なんとか知床半島の先端まで行きますが、帰りのカシュニの滝の沖まで来たときに、浸水が始まったようです。豊田徳幸船長は無念だったに違いありません。

豊田徳幸船長の勤務は経った2年前から

甲板員の曽山あきらさんは、実は今年の4月に知床遊覧船に入ったばかりです。もちろん、それまでで船員の経験はゼロです。

残念ながら、曽山あきらさんの顔画像はニュース、SNS含めてありませんが、27歳の明るくて人柄の良い好青年だったと地元の方からの口コミがあります。

右も左もわからずに、とりあえず初めて乗ったのが、4/23の遊覧船『KAZU 1』でした。

これから頑張って働こうと思っていた矢先の事故でした。おそらく、何もわからないまま北海道の冷たい海に投げ出されたのではないでしょうか。

曽山聖甲板員のFacebook顔画像

まとめると、遊覧船に乗っていた乗組員は、

  • 船長歴1年の素人船長
  • 経験ゼロの甲板員

この2人です。

ネットでも、

「ダックツアーのような静かな場所ならともかく、冬の北海道の荒海。桂田精一社長の気がしれないよね。というか、何も知らないからこその暴挙じゃない?」

という声が上がっています。

知床遊覧船『KAZU 1』船体の傷の補修不足・設備不足

豊田徳幸船長は、昨年2回、座礁などの事故を起こしてしまいましたが、その時の傷がまだ直せていません。

KAZU-1-画像-1

KAZU-1-画像-2

下に見える擦り傷はともかく、『KAZU 1』の文字の横に、上から下に伸びてる亀裂は、全く直されてる痕跡はないです。

もしかしたら、内側から補修されてる可能性がありますが、この部分が弱くなってるのは素人から見てもわかります。

船の素材は、FRP(繊維強化プラスチック)と呼ばれるもので、とても軽くて使いやすく耐久性に優れています。

ただ、傷が入ってしまった部分は割れやすくなってるので、この船首部分が割れて取れてしまった可能性があります。

4/26の調査で、船体はカシュニの滝の沖30m付近に沈んでるらしいことが判明しましたので、引き上げて事故原因を特定するのを待ちたいです。

この傷の補修不足だけでなく、

  • GPS、魚群センサーを修理中
  • 無線がアマチュアレベル
  • 会社の無線アンテナの故障

など、いろいろな部分で十分な設備になっていないことが分かっています。

なんと、会社とのやり取りは「スマホだった」「危なくなる前に社長に連絡したけど、社長が出なかった」なんていう驚愕の事実も明らかになっています。

知床遊覧船-無線

<沖の船と連絡を取り合う無線のアンテナ(中央上)は事故前に破損し、本来の高さの半分程度になっていたという(26日、北海道斜里町の知床遊覧船で)(読売新聞)>

数年前に『KAZU 1』に乗った人の動画がユーチューブにアップされていました。

KAZU-1-内部-1

KAZU-1-内部-2

見た目は普通の遊覧船っぽいですが、外の冬の海の様子を見てるとちょっと怖いですね。

知床遊覧船『KAZU 1』桂田精一社長の経営力不足

桂田精一社長-顔画像

知床遊覧船の桂田精一社長の経歴は、

  • 北海道斜里郡出身
  • 北海道網走南ヶ丘高校卒業
  • 茨城県工業技術センター窯業指導所
  • 元陶芸家
  • 5,6年前から、しれとこ村グループ社長
  • 知床小型観光船協議会会長、商工会理事など

しれとこ村グループは、

  • 世界自然遺産の宿 しれとこ村
  • 流氷と温泉の宿 海に桂田
  • shiretoko HOSUTEL hanare
  • 秘境知床の宿 地の涯
  • 知床遊覧船

などがあります。旅館経営がおもです。

今は会長で、遠音別神社宮司の桂田鉄三氏から事業を引き継ぎました。

はじめは、ある旅館だけだったのが、たまたま泊まりに来た有名コンサルタントの株式会社武蔵野代表取締役社長の小山昇氏にアドバイスを受け、旅館や知床遊覧船などを言い値で買収して黒字化させました。

もともとは陶芸家で経営力などなにもない桂田精一社長ですので、コンサルタントの小山昇氏に言われるまま、会社の経営をしていました。

その結果、すぐに黒字化に成功して、「DIAMOND online」にもそのことが記事になって載せられています。

桂田精一社長の経歴「5,6年前から社長」

ただ、桂田精一社長は海のことは全くわからず、まるで車を運転する感覚で、船も操船できると思っていた人でした。

そのために、ベテラン船長たちともめて大量の退職者が1年前にでます。

「ベテランだと給料が35万ほどかかるけれども、アルバイト船長なら15万で済む」

のような事を言っていたと証言もあります。

もしかしたら、人件費を減らすようにコンサルされたのかもしれません。

ただ、そんな有名コンサルタントのアドバイスも効果がすぐになくなったようです。

日刊ゲンダイには

「はたから見ると裕福な印象でしたが、実際はそうではなかった。お金にだらしなく、それが一因で10年ほど前に奥さんと離婚した。その後、今の奥さんと再婚しましたが、事業を拡大し続け、借金を重ね、銀行からお金を借りられないくらい、借金が増えていたようです。他の会社は元漁師や経験者が経営に携わっているのに、知識も経験もない桂田さんが、なんで観光船なんかに手を出したのか、疑問に思っていた。町全体が何ともいえない、重苦しい雰囲気に包まれています」

という地元の方のインタビューが載っていました。

なるべく経費削減しようとする社長と、逆らえない新人船長、ボロボロの船。

こんな船にたまたまであってしまったのは、悲劇としか言いようがないです。

新しいことが分かり次第、追記していきます。

知床半島沖海難事故の場所

豊田徳幸船長の勤務は経った2年前から

曽山聖甲板員のFacebook顔画像

桂田精一社長の経歴「5,6年前から社長」

桂田精一社長の記者会見しない理由

桂田精一社長の記者会見内容

長野県松本市出身。静岡大学理学部卒業。その後、大手出版社に20年勤務したのち、いくつかのweb系メディアの立ち上げる。業界のウラ側からニュースを検証しています。

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ロイヤル通信

コメント

  1. Elegy より:

    KAZU1 カズワン 船体亀裂でたどり着きました。
    凄いですね。TBSの動画か何かで1度だけ見ましたが。
    白い部分の一番下まで、完全に亀裂入ってます!!
    船首から浸水してますから、もう間違いないですね。
    修理で直せなかったか、修理してないか。
    数日前に仲間の船が指摘したと聞いた記憶もあるので。
    直してないのかも。無線機の故障を放置するぐらいで。
    読み応えありました。

    • 水谷優子 より:

      コメントありがとうございます。
      わたしもあの傷を見た瞬間、ビビりました。
      桂田精一社長には、この先の人生すべてをかけて謝罪してもらいたいものです。
      ありがとうございました。